鍵屋から見た、犯罪傾向・専門家からのカギの性格

　数年前に、”ピッキング”と言うカギ穴に針金状の物を入れ、不正にカギを開けてしまう犯罪が急増しました。その為に、各メーカーから続々と”ピッキングに強いカギ！”と言う謳い文句で色々な種類のカギが販売される様になりました。その後、犯罪者達は鍵穴からの侵入を諦め、ドアに穴を開けて部屋内側の”ツマミ”（サムターン）を狙う様になり、”サムターン廻し”と言う手口で侵入する様になり、これをきっかけに各メーカーから対策品が続々と販売されるようになりました。

　以前にほぼ完ぺきな対策と思われた物件で侵入をされた現場を見ました。
サムターン廻し対策をし、ピッキングに強いカギ、そして補助錠を付けカギを2つにし完璧に対策をしていたマンションで、扉自体を狙い”バール”をドアとドア枠の隙間に入れて、強引に暴力的にドアを開けてしまう現場に遭遇した事があります。音や時間を嫌う侵入者達は、確かに数年前より侵入しにくい世の中になった、と感じていると思います。しかし、彼等もプロです。考えます。以前よりリスクが大きくなっても泥棒業で生計を立てていますので、そうは簡単に諦めません。

確かに防犯対策はイタチごっこですが、全く何も防犯対策をしないのも怖い物です。取られる物が無いから、と良く聞きますが大昔は？その考えも良かった？のかも知れませんが、ここ数年は空巣犯が、殺人犯に変わる傾向があります。
防犯対策をしている住宅と、そうでない住宅では侵入リストに入るか否かは特別な事情を除きハッキリとしていると思います。

これからも、大胆で暴力的な侵入が考えられます。在宅中でも侵入して来るケースも増えています。自分宅は大丈夫、ではなくご自分で出来る範囲でも防犯対策をする事と防犯意識を持って頂く事を、お願いします。車の保険の加入・生命保険の加入と同じで、何かがあってからでは遅いのですから。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　■ カギの性格 ■
カギもいろいろな物が販売されています。カギの交換や新規に補助錠の取り付けなどに、どのカギが良いか分からないと思います。
大きく分けて見ます。

①鍵屋さんで合鍵がその場で作れる鍵。（鍵の管理や利便性が良い）
②合鍵に必要なカードとカギを鍵屋さんや購入店に持ち込み、メーカーへ注文をする鍵。（納期に数週間掛かる。鍵屋さんでは作れない）
③合鍵に必要なカードとカギと免許証などの身分証明をこのカギの代理店加盟店に持ち込みその場で作れる鍵。（代理店に加盟していない鍵屋さんでは作れない。）

　簡単に合鍵を作れる扱い易さ、時間が掛かっても簡単には合鍵が出来ないメーカー発注タイプ、代理店加盟をしている店でのみ、カード・作りたいキーを持ち込みその場で作れるタイプ。などがあります。毎日、使うカギですので扱い方も考えて、鍵屋さん等にご相談されてみては如何でしょうか。
では鍵を廻されてしまう防犯性能はと言うと、現在の玄関錠の鍵は（Ｈ25年）ドロボーレベルでは鍵穴からの開錠は不可能です。キーのデザインや標準のキーの本数等を検討されて、さほど神経質にならなくても良いと思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　■ カギのメンテナンス ■
　ハイセキュリティーのカギは精度が良く、複雑に出来ています。その為メンテナンスを怠ると、キーの抜き差しや鍵が廻りにくくなってしまいます。最悪キーが抜けない・鍵が廻らないなどの症状が出てきます。少しでも新品の時より渋い感じなどしたら、専用の鍵のスプレーを注して下さい。ホームセンター等にも売っています。鍵メーカーが専用潤滑剤を必要としている物は、その潤滑剤を使用した方が無難かもしれません。何でもかんでも、潤滑剤ならと鍵穴にスプレーをしないで下さい。その場は良いですが、月日が経つにつれホコリ等が付着して返って悪くなります。メンテナンスをキチッとして頂き、快適にお使い頂きたいと思います。